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Yashiju sha

São Paulo / SP - Brasil
86 anos, Poetas de tanka

酒井 祥造 - 移民船の思い出


私たち一家は一九三三年八月、ラプラタ丸で渡航した。六才の幼年で記憶も切れ切れだが出航の時数百人の女学生が唄う「往けゆけ同胞」の歌声は今でもはっきりおぼえている。ラプラタ丸は七千トンのまだ五年位の新しい船で、子供心には途方もなく大きくてりっぱな船に見えた。出航の時のとり交すテープと人々の歓声のすごさは幼い心にやきついた。幼かったから外国に行く感傷や去る悲しみなど何もなく、初めてりっぱな船に乗れたから喜んでいた。港が水平線の向こうに消えるのはおぼえている。北海道の移民は船首の客室でずいぶんせまい所だった。港に入って錨を下す時のものすごい音にはおどろいた。

航海中、舳先に並んで大きな魚が泳ぐのを見て子供達皆でさわいだのであったが、あとで年長のいとこから「あれはイルカで魚ではない」と言われた。何日目であったかひどく濁った大河をさかのぼって入った港で小さい舟に乗った青年が船客の投げる銅銭をとびこんでたくみに拾っていた。あとで知ったことだが当時サイゴンと言われていた港で大河はメコン河で夏の増水期であった。航海中、船のペンキの匂いに気持悪くなって船酔してあまり食べられなかった。もともと体が弱かったがカタクリだけいつも食べれた。カタクリ粉に熱い湯を入れサトウで甘くしたものを好んだから体に良いはずがない。

永い船旅だから幼稚園ができて何十人の幼い子等と遊べるのが楽しかった。若い女の先生に歌や遊戯を習うのが楽しかった。先生と言っても船客の中から選ばれた二人の女性だったが幼い者にはとてもえらい人に見えた。いつだったか大勢の船客が集っている時「誰か唄える人は手を上げて」と言われて手を上げ「夕やけこやけ」を唄ってほめられた。船客達が甲板で毎日東京音頭を踊っていたのをおぼえている。永い船旅だから船客は甲板でいろんな遊びをしていた。

シンガポールやインド洋、各地の港のことはどこであったか何にも分からない。西に沈む大きな太陽やマストに当って死んだコウモリなど記憶は切れ切れだ。海が少し荒れると灰色に見えて高い波が恐ろしかった。だが、船員の話ではこの航海はひどい嵐に一度も会わず、船客一人も死なず、めずらしくおだやかな航海だったと語っていたそうだ。アフリカのケープタウン港の向こうの山の上が平らで広く見えたのと黒人の大きな人夫が恐ろしく見えた。有名なホーン岬の荒波など何にも記憶にない、荒れていなかったのであろう。

後半の航海やリオデジャネイロ、サントスに入港のこともまるで記憶にない。海岸山脈を登る鉄道のことは少しおぼえているが、私が十歳位だったらかなり記憶できたのにと残念だ。


Enviada em: 14/05/2008 | Última modificação: 14/05/2008
 
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