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Yashiju sha

São Paulo / SP - Brasil
86 anos, Poetas de tanka

鳥越 歌子 - 移民船の思い出


移民船「まにら丸」は半貨物船で一千余の移民を乗せ、神戸港を出航しました。収容所にて準備のため一週間過ごし、その時私の母は太っていたので支度店に合う洋服がなく、特大のものを縫い出してやっと着られるようになりました。神戸に住んでいる姉と日本の兄が別れの見送りに来てくれ、岸壁の見送り人と船と五色のテープはびっしりと結ばれ、出航のドラを合図にテープは切れて兄等の姿は遠のき、日本との別れ、ブラジルはどのようなところか悲喜交々感慨深いものでした。渡伯第一夜でした。

瀬戸内海は鏡のように静かで、月は照りまるでお伽の国へ行くようでした。船員の声にはっと丸窓から見た海は山のような波が重なり玄界灘は大嵐でした。二、三日は昼夜もわからず船は方向を失い、皆船酔いで病人のようになり、少し揺れがおさまって船員が、お握りはいかが、とたけりゆきますが誰も起きてもらう人はありません。

途中ホンコン、シンガポールと寄港しましたが、上陸もせず私の母は船が止まったら起き、動けば鉢巻をして寝ていました。北海道の人は船首、九州方面は船尾で同室の人と親しくなり、トランプや花札をくって楽しみました。何時しか一青年が好きになり、言葉では何も言わないが目で相手の心が解り、「目は口よりものをいう」の諺の通りです。ケープタウンを過ぎ、あと十日位で上陸という頃彼から求婚され、結婚の約束をしました。二人のことが室中の噂になり、あの時代、昭和の初めは恋愛は不良、親の恥、家族の恥として両親からきびしく怒られ、その後二人は話す事も同じ場所にいる事も顔を見る事も出来ず切ない思いのままサントスに上陸、汽車でノロエステ線カフェランジャ駅に下され、彼とは別れてしまうことになりました。それからトラックでシャンテンブレーの分耕地アララに着いたのはとっぷりと昏れ、暗いコロニヤの前に着いた時、声をかけてくれたおばちゃんがいて「ジャポンの人よくきました、さあさあ家に行きましょう」と家族五人を連れてゆき、夕食を頂き、その夜は泊めて下さったのです。その方達は三ヶ月位前に入耕されたとかで助けていただいた有難さは忘れる事は出来ません。

馬小屋のようなコロニヤに入れられ一か月位した或る日、一台のタクシーがコロニヤの前に止まりました。船で別れて以来、彼の事を口にする事も出来ずもくもくと切ない日々でした。その日私は一足先に帰り井戸で水を汲んでいました。突然彼が来てくれ、夢かと思い懐かしく言葉ではたえようもありません。

シャンテンブレーは厳しいところで正式の許可がないと入れません。彼は叔父を伴い、許可を持って本耕地に入る事が出来たとか、叔父は筋を通して二人の婚約を申し入れ、私の両親も先方の厚意に快く婚約を許してくれました。叔父は日本酒一本、おかしら付の代りのイリコを少々、かんづめ一個持参し、ござを敷いた板張りに座りカンテラの灯りで婚約の仮盃を交す事ができました。私はいうに及ばず両親もよろこんで幸せいっぱいでした。一農年終れば日本人耕地へムダンサ出来るからと先を約して叔父と彼は帰って行きました。

夫との出逢いは移民船がとりもつ縁の人で、歌の文句にあるように、生まれる前から結ばれていたそんな気がする紅の糸、人の生命(いのち)は不思議なもの過去世からの縁でもって現世で結ばれる、という事でしょうか。

夫より十三年も長生きし百周年を迎える事ができ感謝でいっぱいです。一九三三年「まにら丸」にて渡伯、二〇〇八年五月三日で九十一歳になりました。


Enviada em: 30/07/2008 | Última modificação: 30/07/2008
 
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